2009-08-29から1日間の記事一覧

「無題 」

サザンカがこらす くまの巣にあるひとみに 一匹の あじは ノマドを そっともみけして 窓辺にたたきつけた論旨を くすの木にとどめられる情念に さんぼうに のせて みちばたの石ころに MANAに お供えするサザンカの念いくくゆり くくゆり ねんごろに くくゆり…

「 」の対極へ

いのなかに在る けさまくらの目の おくゆかしき おくゆかしき ふるいどの底 ひびきあうふるいどの巣。 みほとのおくにて眼球は ありました。おくゆかしきおくゆかしき おくゆかしきけさまくらの巣に りんごを食ませたなゆたいの女房は くらかげのなか じっと…

「生の檻にて」

とくしゃがほしい と 西日暮里のホームの 縁の下 西日の餌食となって 身悶えながら 哀願したあなたよ。あたえましょう あたえましょう 千載一遇のとくしゃをあたえましょう なお あたえましょう 末広がりの空虚に照らされた 不変という 火なたぼっこを。泣く…

亀裂

木漏れ日のなかにすまう 古ナスのこむぎあえが わたしをじっと 見つめている。 なみだ目で わたしのくるぶしを 見つめている。 天窓にかがやくすずめばちの羽音に湯気はかかり 「今」という一刻は推移する。 傷口が 開くかのようにその傷口から フルナスのコ…