亀裂

木漏れ日のなかにすまう
古ナスのこむぎあえが
わたしをじっと
見つめている。
なみだ目で
わたしのくるぶしを
見つめている。


天窓にかがやくすずめばちの羽音に湯気はかかり
「今」という一刻は推移する。
傷口が
開くかのように

その傷口から
フルナスのコムギアエハ
ワタクシヲミテ
イルノデス。