「貼り付けられた人たちへ」

あないみじ 御前にしたためられた狡猾さは
一編の「BOOK」のなかに整えられた 
臆病者達の ことだま

さぞ悔しかったでしょう 
さぞ、くちおしかったでしょうことだまたち。
あなたがたの思いは
あなたがたをして
その、一編の「本」に、ひっそりと、横たわらせてはいるのですが
ジャイアント的、ロゴス的、清い神学者のせせら笑いに抱かれて。

そうです、ことだまたち。
あなたがた
ロゴスの名のもとに、
生皮ひきちぎられ、手足もげられ、達磨になって、置物になって。


礎が定立されてしまいました。
キリストは貼り付けにされてしまいました。
礎のむこうに
身を
動きを
貼り付けられてしまいました。

安全な人たちはいつも
白いのを尊び
苦笑を脇に抱えて白ワインを飲むのでしょう。

貼り付けにされ
ひからびた
キリストのどす黒い血はただ
のた打ち回っているだけで
ことだまたちの思いは
誰にも届かないのでしょう

貼り付けの勢いに潜む
どす黒い赤ワインを

わかつ人たちことだまたち。

まどいなさいまよいなさい

大地を掘り
飛び込み呪詛となれ。

おもいよ
今ここに、現前しなさい。