「それでは今日も、乾杯。 」

ハードルは今日も 硬く朗らかな 一滴をしおどめのほとりに かなづちごと落として
開闢以来の微笑みを 白鷺に託して 湯目のまにまに 供えゆく たゆたけししらさぎ
いつものルーチンワークをとおして 毎日の労働を 過ぎ越しの祭りに向かって蓄積してゆく
 
くまの目にはもうすぐ ホロコーストへと走り去る 羊たち群れが いや、
ひつじたちのお面をつけた 人魚達の呻きながら歌う声が 耳について離れないらしい

目の玉を みほとに入れ込んだお嬢さんは 人魚達のなかにいて
帳が下りるのを じっと待っているみたい
それを見つめながら 今日もくまは 裂けを喰らう。

人魚達の呻きうめきうたう声を聞きながら 
くまの目は うめきの後ろでにたついた ディユオニソスに向かって、でも、
くまさんの目は斜視だから 一方向へと収斂せず 
ぶれてぶれて 目の先は
どこ飛んでくのかわからない。

そして
いたるところにくまさんは ディユオニソスの痕跡を ぴんぼけしたまま発見する。

おおディユオニソス
くまさんは幸いなるかな
おおデュオニッソス
心の貧しきものはさいわいなるかな

地場と俗世の間に マドレーヌと紅茶の関係は現れず
似たもの同士 足固めするのにいつもせめぎあい
キリストの念いを台無しにして安定剤を構築する。

幸いなるかな心の貧しきもの達
あなたがたの安定剤と私が振りまくアルコールとを
割って飲んだらさぞおいしいでしょう
極めつくされし心臓の愛を
デュオニッソスと一緒に配布してください。

それでは
今日も
乾杯。