「海底探索」

よろず、よいのとばり、飛行する烏賊よ。きものの裾はいつになく
現前のいぶかしさをイソギンチャクに吐露する。むせらエビ、とり
しばたきの水晶よ、日のもとつ中つ国、うおのめのもと州に懇願せ
よ。ゴミ箱は鳴る。ヤカン、ヤカン、ゴミ箱は鳴れ、遠くの庵にて
遠くのイソギンチャクにて、日本海溝の裂け目にて鳴れ、ウィンド
ウズシャドウコピー、ゴミ箱、裂け目の奥にあり。揶揄されししと
どめ草、そこから湧き上がる自殺の嘔吐する歌声。日の目向かいに
かみを現前せしめる。うまれるー生ま、うまれるー、あやのこうじ
エセラびな。生んま、生まれるー、溶鉱炉のイソギンチャク。日本
海溝の裂け目より、声が聞こえる。あゆかわの飛行物体、あやかし
の飛行物体。ただいま現前する、鹿の糞といおりと山火事。せめぎ
あわされし揶揄たちの遠吠え、桜なみする気迫が、揶揄よ、せめぎ
あいのとばりに飛翔せよ、烏賊のおなかをとびこえよ。エセラビナ
万歳!日向ぼっこ発情す!日向ぼっこ発情、くすりゆびのはす向か
い、ゲルニカ、谷中の枝垂桜に塩をまけ。金切り声にてふすまを改
訂せり。トラ、トラ、トラ、改訂されし衾の薬莢の中のトラ、一休
さん、ゆりの木にのた打ち回るクロッカスとの接吻、しばたたきに
海溝からお呼びがかかる、釘打ってやる、釘打ってやる、釘打って
やれたらふく、たらふく釘を打てばかものよ。馬鹿の分際で、古代
歌謡の花びらたちを召喚せよ。海の中よりの声に応えよ、釘たちよ
馬鹿者よ、召喚せよエセラビナよ、どよめきよ、烏賊よ、烏賊よ応
答せよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。