「しわがれつくせぬものたちと、富めるものの間で起こったこと」
くさなぎの目やには相変わらず引き裂けていて
尊ぶ姿勢もなく奥まった眼球に
串刺しにされたプロキシサーバーはいつものように
ヤマメをにらみつけていて。
いつになったら落ち着くのやら・・・。
「地場が危ういよ」と諭すんだけれども聞いてもらえず
LANケーブルのなかにアサリを突っ込んで のみこんで にやにやと
やまめがのたうちまわるのを見つめているのだから
たまらない。
串刺しになるプロキシーの奥で
聖なるものは偶然性と嗚咽を一緒にくわえ込んで
身じろぎひとつせず
売春婦たるこころいきにおぼれていく。
「過ぎたるは及ばざるが如しと」ささやきながら
過剰の合間をほころびながら
くず折れながらほどけてゆく吉原の花びらたち。
そのサービス精神と接客マナーのおくに住み込んだ
しわがれつくせぬめしべたちの裂け目から覗き込む
あの方の御目は
身じろぎひとつせず
飛行機が飛んでくるのを
待ち望んだ。
ムハンマドのしもべたちの
いかりと血しぶきを
その身一杯に受けて
資本主義の楔であると
仁王立ちになって飛行機を
受け入れるのだった。